販売カタログができるまで
カタログを企画・統括していただいた山咲さんによる制作日誌。
2002年2月23日、Ongoing展参加作家初顔合わせ。ここで、展覧会カタログはお金がないからCDROMよとQuake
Centerより御通達。お金がかからない方法でなんか、いい案あったら出して!と言われたので、その場で「一人一人が自分のページを作るようにすればいいんじゃないか?そうすればお金を掛けたい人とそうでない人が自由に選択できるし(この時点ではカラーとかモノクロの差ぐらいを予定していた)、そしてファイルとかに入れて書籍型にすれば?」と山咲ナナが言い出す。そして、言い出しっぺはカタログ隊長となり、まんまと矢面という名の表舞台に立つことになる。
山咲ナナよくよく考えた、別にファイルの1ポケットを一人使うのなら紙ペラに限らなくてもいいんじゃないか・・・?と考え、CDROM、オブジェ、フライヤー、ポストカード等、常識の範囲でなんでも入れてイイとということにして、サンプルを作ってみたりする。クリアファイルに布でカバーを着けお家にあったフライヤ−やCD、グッズ等を入れてイメージを確認。
展覧会出品者22名が決定。展覧会まで1月半。サンプルをみんなに見せて、イメージを共有してもらう。中身は作家の自腹。こだわりたければお好きにどうぞ。販売数は300に決定し、値段は仕上がりを見ないと判らないので決めず(内容次第です)。また、展覧会出品者とカタログ出品者は別の問題ということで、展覧会出品者はカタログ出品の必要条件とし、以外の作家にもカタログにページを設けることは可能と発表。参加の希望を募る(意思表示の締め切りは3月5日)。
また詳細を決定。
- ファイル形式のカタログである(A4)
- 販売数300部
- 中身は作家自身が用意する、紙媒体に限らずA4に入れば良い(300個/自費)
- Quake Centerについてのページを設ける
- それぞれのページにはこちらで用意したフォーマット(作家名・出品作品名・略歴・ファイルに入っているもの・希望があればコン セプト、が記入されている)が一枚入ります。
- 選出作家20名は絶対参加。選外の作家31名に関しても希望があればページを設ける(是非希望して欲しい!)。それに応じてファイルのページ数は決めます。
- ファイルの材料費を抜いて儲けた分はOngoing展の赤字を埋めます。
- 300部までは限定品という扱いで、それ以降のカタログ購入希望者には予約制(後に送付)にする。
カタログ出品者37名+Quake Centerで決定!(40ポケットのファイル使用も決定。)それをうけて、フォーマット製作用に以下のアンケートをとる(締め切りは3月15日)。
- 名前について(正式アーティスト名・ローマ字)
- 出品作品について
・タイトル[日本語と英語で]
・素材or発表形態
・大きさ・長さ等
・制作年(西暦で)
・作品写真(5B×5B・解像度350jpeg形式)
・作品コンセプト(400字以内)
- 作家略歴
- 自分のページに入れるもの(複雑な方はイラスト付きで)
カタログ制作行程(予定)発表
- カタログカバー作成 3/16〜18
- カタログフォーマット印刷 3/27〜31
- カタログ用ファイル入荷 3月中
- カタログ用ファイルにフォーマットを入れる 4/2
- シルクスクリーンでロゴ印刷 4/9
- カタログに作家制作のモノを詰める 4/11〜
江場左知子さんと一緒に買い出し。カバー用に布を買いに行きました。そこで、出会ってしまった。可愛いチェックのしっかり布。しかし、カバーには分厚すぎる・・・一度は断念しようとしたその時、どちらともなく「カバーじゃなくてもいいんじゃないか?A4サイズのスクールバッグ風とかでもいいんじゃないか・・・かわいい〜!!!」と、即決。しかし、布の量が足りず、120はバッグで、180を薄茶のカバーにすることを決定。
この時の私カタログママにはこの先に待ち受けるとんだ激忙の日々は予想できていませんでした。これがOngoing肉親総動員の大騒ぎの始まりです。
アトリエフェニックスに材料と道具(ミシン等)を持ち込み、バッグの制作に取りかかります。予定では3日で終了、しかし、いつまでたっても先が見えない、4・5人掛かりで先が見えない・・・未来なんて有って無いようなもんだなぁなんて愚痴りつつ、継続的な作業となりました〜・・・つづく。
ロゴデザインについては、ファイルカバーの表紙デザインとともに大募集!Ongoingの文字とシルクスクリーンでプリントすることを条件に(せいぜい2版)、結局、小林浩康氏の原画を元に笛田亜希がデザイン。
作家ミーティングにてサンプルを見てもらう。価格はリミテッド版(バッグ入り)を3000円で120部販売、通常版(カバー付き)を2000円で180部販売を決定。ここで、カタログ用に直筆のドローイング等やオブジェを制作している作家にもし300無理だと思ったら、まるまる諦めるのではなく120部と180部で中身を変えてもいいと伝える。
カタログ縫製は展覧会ギリギリまで続き、Quake Centerの肉親に多大な迷惑を掛ける。フォーマット制作には小瀬村真美さんが尽力をつくし、印刷にはQuake
Centerの面々が精を尽くし、シルクは羽藤明夫さんまたまたQuake Centerの面々、フォーマット&モノをファイルに入れるにあたっては全員参加で予想以上の時間がかかり、怒濤の日々でした。皆さんお疲れさまでした!
Ongoing展始まる。初日は6時からのオープニングパーティーのみで200名が来場。カタログは30部売れ、そのほとんどはリミテッド版でした。
2日目午後まもなく、リミテッド版は完売。ここからは、通常版のみの販売となりました。ここまでリミテッド版があったためあまり売れていなかった通常版もここから売れはじめる。
Ongoing展終了。正味4日間の展覧会でカタログは限定版120完売、通常版は180部中150部を販売することができました。
買っていただいた皆様と製作に関わった皆様に、感謝の気持ちで一杯でございます。
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